この世の始まり以来、すべての創造物の運命を決めるべく、秩序と混沌との永遠の闘争は続いている。そしてその闘争は、ついに人間界にも波及してきた。人間や悪魔はむろんのこと、天使でさえも無傷ではいられないだろう。恐怖の王であり、3人の初源悪の中で最も若い悪魔であるディアブロは、地下の奥底での長い眠りから目覚めた。ディアブロは、兄であるバールとメフィストを流刑から解放するという壮大な陰謀を実行に移すため、西方の小さな王国であるカンデュラスを支配下に収めた。トリストラムの街の地下にある墓地の奥深くから、ディアブロはすべての人々を恐怖と妄想の捕らわれにしてしまった。
カンデュラスの良き王であったレオリックはディアブロの邪悪な力の前に倒れてしまった。だが、国を飲み込む暗黒に挑戦するべく、一人の英雄が立ち上がった。地獄のようなトリストラムの地下迷宮の底で、名もない英雄は恐怖の王の前に立ち向かった。ディアブロの魂を真の意味で破壊することは不可能であるということはよく知られていたため、英雄はディアブロの魂を自らに取り込んだ。自らの力によって、その悪魔を押さえつけようと試みたのである。しかしその英雄は、その自己を滅した行為がディアブロの勝利を確実にしたばかりか、自分の魂を取り返しのつかない破滅に永遠に陥れてしまったということを知らなかった。